12/22(月) 小学5・6年生に学んだ防災訓練(四街道市)

学校安全総合支援事業(文科省)・令和7年度千葉県指定校である四街道市立和良比(わらび)小学校にて、PTA主催の防災訓練が行われました。

これは発災時、教職員や避難所運営委員会などは「こられない」前提でPTA会員(保護者)だけで子ども達を守る実力を養う趣旨で、7月に続き今年度二回目。参加者は全校の約2割にあたる児童と、保護者・その他の約200人。前回出た課題をふまえ細かいところを修正して今日臨みました。

そして今回も、学校主催の防災訓練ではなく、PTAが通常行っている放課後活動の途中から予告なしで「シェイクアウト」訓練、その後 各種の訓練に移行します。防災士は訓練全般の指導のほか「炊き出し・配給」訓練のお手伝い、ミニ防災講話などを行いました。

主催者である同校PTAが今回の大きな「狙い」としていたことに、小学5・6年生をリーダーとする実践がありました。これは実際の災害時、教職員や避難所運営スタッフ、PTA(保護者)の人数が限られる現実的な場合を想定し、高学年の子ども達に自発的に行動してもらう訓練です。大人が指示するのでは意味がありません。一歩進んで、子どもが自分から、他の子どもを助けられるようにしたいという大きな目標がありました。

その実践。まずゲームとして「10人のグルーブを作って。でも必ず5・6年生を入れること」という「お題」だけを与えます。すぐ仲の良い友だちと組んでチームを作った5・6年生。その一方で低学年の小さな子たちは(5・6年生がいないので)グループを作れずにいました。もともとお互い面識はありませんので、お兄さん・お姉さん達に近寄ることもできず ただウロウロしています。

「災害が起こって、お父さん・お母さんも来ないこの学校で、寂しそうにしている小さい子の命を助けてあげるのは、誰だろう?」子ども達はじっと考えています。

ほどなく、何人かの5・6年生が、友達と作ったグループを解消し、小さい子のそばに行きました。男の子が、小さな女の子8人くらいのかたまりに近づき、その子たちの手を引いて、新しいグループを作りました。
ひとり、またひとり。5・6年生の数だけグループができたところでゲーム終了。「みんなえらいね」「そうだよね」「小さい子を守れたね」「ありがとう」。

大人がこうしなさいと言うのではなく、5・6年生が自分で考え、小さな子を守るために行動する。それは防災訓練にかかわらずとても大切なことです。
様子を間近で見ていた防災士が「いまこの瞬間、この子達が災害に一歩強くなったような気がする。」と言っていたことが印象的でした。

同校の訓練は三学期にも予定されています。防災士には考えつかない視点で命の大切さに真剣に取り組んでいる同校PTA。次回もとても楽しみです。


会員 島田(四街道市) 記
(協力: 四街道市防災士連絡会)